『行動経済学まんがヘンテコノミクス』の読書メモ④です。
今回は【損失回避の法則 / 参照点依存性 / 錯誤相関 / 無料による選好の逆転 / 双曲割引】の5つをご紹介します。
行動経済学とは?
人はなぜそれを買うのか。
安いから、質がいいから。
そんなまっとうな理由だけで、人は行動しない。
そこには、より人間的で、深い原理が横たわっている。
この本には、その原理が描かれている。
漫画という娯楽の形を借りながら。
これまでの経済学というのは「人は必ず合理的な判断で行動するもの」と考えられてきましたが、実際の私たちは好き嫌いのような感情であったり、理屈では説明できない非合理な振る舞いをしてしまうことがあります。
行動経済学とは、そういった従来の経済学では説明しきれない「人間の心理」という視点から、人の行動を解明しようという新しい経済学です。
損失回避の法則
目先の損を嫌う心理。
私たちは目の前の損をとにかく避けたいと言う気持ちが強いため、損失がゼロになる可能性を最優先に判断してしまう。
あなたならどうする?
もし「必ず1000万円もらえる」のと「1/10の確率で10億円もらえる」のではどちらを選ぶ?
参照点依存性
基準に引っ張られて、価値が変わる。
何か物事を評価する際、その物事の絶対的な価値ではなく、基準となる状態(参照点)との相対的な比較によって、価値を決めてしまうことがある。
そのため、同じものでも参照点が変わると、価値が全く変わってしまうことがある。
同じ24度の室温でも、猛暑日と真冬日では感じ方が違う。
錯誤相関
関係のないこと同士に、関係があると思いこむ。
たまたま自分が遭遇した2つの出来事に対して、勝手に結びつけて「2つの間には何か関係がある」と思い込んでしまう現象。ジンクス。験担ぎ。
無料による選好の逆転
「タダ」が合理的判断を狂わせる。
合理的に考えればこれ以上出費すべきではない状況にも関わらず、一度「無料」という言葉を見せられてしまうとたとえ合計金額が上がってしまったとしても「どうせ必要なものだから」などと様々な理由をつけて、なりふり構わずに「無料」になるための選択肢を選んでしまうという心理傾向。
人間はとにかく「無料」に弱い。
2,000円以上のお食事で駐車料金無料
3,000円以上のお買い物で送料無料
双曲割引
自分との距離が遠ければ、差を感じない。
遠い将来の少し大きな変化より、近い将来の小さい変化の方が大きく感じてしまう心理傾向。
同じ2kmという差でも、ここから2km離れた場所へ移動するのは遠く感じるが、ここから200km離れた旅行先での2km移動(200km地点から202km地点)はさほど遠く感じない。